黄色い風船~ラオス・コーン島~
今日の朝、久しぶりに、とってもいい夢を見た。
それは、どこか貧しいアジアの国の、、、決して大きくも小さくもない川を
木造ボートでゆっくり進んでいく夢であり、、、太陽の光はとっても暖かく、
川面に無数のキラキラを作っていた。
「う~ん、いい気分だ!!第一、今日は、本当に天気がいい!」
そう思って、私は、舟の隣に乗っている、昔からの友人の顔を見た。
「ほらッ!!」
友人は、左側の川面を指差して、木造船からちょっとだけ身を乗り出した。
その指の先を見ると、そこには、無数の小さなイルカが、
とっても楽しそうに、水面をピョンピョンと跳ねていた!!
先頭に立って、群れを導いているイルカさえ、その大きさは50㎝程度で、
その後ろからお兄ちゃんイルカを追いかけているのは、
さらに小さなイルカたち、、、それは、実に30㎝にも満たない大きさだった。
「すげぇ~、河イルカ、それもいっぱい!!」
気がつくと、私は、ちょっと興奮して、舟の上で立ち上がっていた。
「ちょっと~、危ないよ!」
細長い小さな木造船は、私が立ち上がったことで、左右に大きく揺れていた。
「ごめん、ごめん。ついつい、、、」
私は、また、ゆっくりと舟の上に腰を下ろして、水面にそっと手を入れてみた。
ヒンヤリしているけれども、とても暖かい、、、心地よい水温が手を伝って、
私の気持ちを安心させた。
すると、一団のイルカたちが、舟の方にやってきて、、、
水の中にある私の手のひらに、先頭にいたお兄ちゃんイルカの鼻(?)が、
かすかに触れた。私は、内心ドキドキしながら、、、下手に手を動かすと
イルカたちが遠いところへ逃げて行ってしまうのではないかという小さな不安を感じつつ、、、
少しだけ勇気を振り絞って、そっと右手を前方へ伸ばしてみた。
イルカの肌の感触が、水の中を、確かなぬくもりとなって、伝わってきた。
生きているものの、しなやかなぬくもり、、、暖かく脈打つ鼓動、、、
「一番大切なものって、こういうことなんだなぁ~」
私は、そっと目をつむって、暖かい日の光と手のひらの感触を大切に思った。
しばらくして、目を開けると、、、
あれれ、、、イルカは、いつの間にか、サバになっていた!!(笑)
「あれ、これ、サバじゃん!!でも、まぁ、いっか!」
私の手のひらに触れているものは、いつの間にやら、もうイルカじゃなくって、
サバになってたが、、、でも、そこからも、やはり前と同じく、生きているものの、
しなやかなぬくもりと、、、暖かく脈打つ鼓動、、、それを全身に感じていた。
「このサバ、大事にしなくっちゃ!いや、むしろ、ずっとサバでいてくれた方が、、、」
舟は、岸から川に張り出した小さな高床式のバンガローの前に差し掛かった。
すると、竹で作ったバンガローの中には、隣に座っていた友人の家族がいて、
こちらにカメラのレンズを向けた。
「はい、チーズ!!」
私は、照れくさそうに笑って、頭上に大きく張り出した木の枝とその間から見える
青く高い空を眺めた。友人は、家族に小さく手を挙げて、合図をしていた。
そこには、言葉では、言い表わせない、、、「信頼」があった。
木の上には、もう1人の別の友人がいて、パパイアか何か、実ったフルーツを
もぎ取ろうと、悪戦苦闘していた。
彼は、「もうちょっと、もうちょっと!!」と言いながら、木の枝をよじ登っていた。
「おいおい、お前、トムソーヤかよ!」
私は、別に何とも面白くもない、意味不明な突っ込みを入れながら、
視線を、自分の右肩に移した。
すると私の右肩側には、黄色い風船が1つ、舟の舳先に細い糸で結わいつけられて、、、
暖かい日の光の中に、風にゆらゆらと揺れていた。
「あれっ、黄色い風船!?」
そう私が驚いたようにつぶやくと、友人はビックリした顔をしてこう言った。
「はぁ~、何をいまさらいってんの!?
自分で持って来て、そこに結わいたんじゃん、、、その風船!?」
「あれ、そうだっけ?」
「相変わらず、あんたは、とぼけたヤツだね~」
「はい、すみません。そうでした!」
「すみませんじゃ、ないよ!!
私が、飛ばされないように、もっとしっかり結んだ方がいいよ!って言ったら、
あんたは、強がって、『別にその時はその時だ!』みたいなこと、言ってたじゃない!!」
「そうだっけ!?」
「そうでしょ!!今まで飛んでいかなかったのが、むしろ奇跡だね!こりゃぁぁ。。。」
「そうだね。奇跡だね!」
私は、そう言いながら、今にも解けてしまいそうな、その糸の結び目をじっと見つめた。
そう、その時は、その時だ、、、しかし、私は、これまで何度も、その結び目が気になって、
解けそうになっていないか確認し、例え解けてしまっても、瞬時にパッと手を出せば、
その糸をつかんで、また結わき直せる、、、そんなバカなことを、何度となく考えていた、、、
そんな自己満足に終始していた、これまでの自分を思い出した。
心を見透かしたように、友人が言った。
「あんた、大して運動神経よくないんだからさ、、、いい加減しっかり結わいておかないと、、、」
「はい。」
私は、風船の糸を、震える指にそっと力を込めて、しっかりと結び直した。
舟は、どんどん先へ先へと進んでいく。
私は、しっかりと結び直したその結び目の上に、
友人にはバレないようにと(どう考えても、バレバレであるが、、、)
そっと右手を乗せ、川の匂いがする暖かい空気を、思いっきり深く深呼吸した。
太陽の光と川面のキラキラ、、、その中を、黄色い風船は風にハタハタと揺られながら、
時折、私の右肩を力強く叩いていた。
※写真は、ラオス南部のコーン島にて、河イルカ探しに出かけた時のもの。
※本日19日夜から、イエメンの旅に行くため、年内の更新はこれで最期になります。
今年1年、皆様、大変お世話になりました。どうか、それぞれのよいお年を!!
来年もまたよろしくお願いいたします!!
さぁ、荷造りしなきゃ!!(笑) ステフ
それは、どこか貧しいアジアの国の、、、決して大きくも小さくもない川を
木造ボートでゆっくり進んでいく夢であり、、、太陽の光はとっても暖かく、
川面に無数のキラキラを作っていた。
「う~ん、いい気分だ!!第一、今日は、本当に天気がいい!」
そう思って、私は、舟の隣に乗っている、昔からの友人の顔を見た。
「ほらッ!!」
友人は、左側の川面を指差して、木造船からちょっとだけ身を乗り出した。
その指の先を見ると、そこには、無数の小さなイルカが、
とっても楽しそうに、水面をピョンピョンと跳ねていた!!
先頭に立って、群れを導いているイルカさえ、その大きさは50㎝程度で、
その後ろからお兄ちゃんイルカを追いかけているのは、
さらに小さなイルカたち、、、それは、実に30㎝にも満たない大きさだった。
「すげぇ~、河イルカ、それもいっぱい!!」
気がつくと、私は、ちょっと興奮して、舟の上で立ち上がっていた。
「ちょっと~、危ないよ!」
細長い小さな木造船は、私が立ち上がったことで、左右に大きく揺れていた。
「ごめん、ごめん。ついつい、、、」
私は、また、ゆっくりと舟の上に腰を下ろして、水面にそっと手を入れてみた。
ヒンヤリしているけれども、とても暖かい、、、心地よい水温が手を伝って、
私の気持ちを安心させた。
すると、一団のイルカたちが、舟の方にやってきて、、、
水の中にある私の手のひらに、先頭にいたお兄ちゃんイルカの鼻(?)が、
かすかに触れた。私は、内心ドキドキしながら、、、下手に手を動かすと
イルカたちが遠いところへ逃げて行ってしまうのではないかという小さな不安を感じつつ、、、
少しだけ勇気を振り絞って、そっと右手を前方へ伸ばしてみた。
イルカの肌の感触が、水の中を、確かなぬくもりとなって、伝わってきた。
生きているものの、しなやかなぬくもり、、、暖かく脈打つ鼓動、、、
「一番大切なものって、こういうことなんだなぁ~」
私は、そっと目をつむって、暖かい日の光と手のひらの感触を大切に思った。
しばらくして、目を開けると、、、
あれれ、、、イルカは、いつの間にか、サバになっていた!!(笑)
「あれ、これ、サバじゃん!!でも、まぁ、いっか!」
私の手のひらに触れているものは、いつの間にやら、もうイルカじゃなくって、
サバになってたが、、、でも、そこからも、やはり前と同じく、生きているものの、
しなやかなぬくもりと、、、暖かく脈打つ鼓動、、、それを全身に感じていた。
「このサバ、大事にしなくっちゃ!いや、むしろ、ずっとサバでいてくれた方が、、、」
舟は、岸から川に張り出した小さな高床式のバンガローの前に差し掛かった。
すると、竹で作ったバンガローの中には、隣に座っていた友人の家族がいて、
こちらにカメラのレンズを向けた。
「はい、チーズ!!」
私は、照れくさそうに笑って、頭上に大きく張り出した木の枝とその間から見える
青く高い空を眺めた。友人は、家族に小さく手を挙げて、合図をしていた。
そこには、言葉では、言い表わせない、、、「信頼」があった。
木の上には、もう1人の別の友人がいて、パパイアか何か、実ったフルーツを
もぎ取ろうと、悪戦苦闘していた。
彼は、「もうちょっと、もうちょっと!!」と言いながら、木の枝をよじ登っていた。
「おいおい、お前、トムソーヤかよ!」
私は、別に何とも面白くもない、意味不明な突っ込みを入れながら、
視線を、自分の右肩に移した。
すると私の右肩側には、黄色い風船が1つ、舟の舳先に細い糸で結わいつけられて、、、
暖かい日の光の中に、風にゆらゆらと揺れていた。
「あれっ、黄色い風船!?」
そう私が驚いたようにつぶやくと、友人はビックリした顔をしてこう言った。
「はぁ~、何をいまさらいってんの!?
自分で持って来て、そこに結わいたんじゃん、、、その風船!?」
「あれ、そうだっけ?」
「相変わらず、あんたは、とぼけたヤツだね~」
「はい、すみません。そうでした!」
「すみませんじゃ、ないよ!!
私が、飛ばされないように、もっとしっかり結んだ方がいいよ!って言ったら、
あんたは、強がって、『別にその時はその時だ!』みたいなこと、言ってたじゃない!!」
「そうだっけ!?」
「そうでしょ!!今まで飛んでいかなかったのが、むしろ奇跡だね!こりゃぁぁ。。。」
「そうだね。奇跡だね!」
私は、そう言いながら、今にも解けてしまいそうな、その糸の結び目をじっと見つめた。
そう、その時は、その時だ、、、しかし、私は、これまで何度も、その結び目が気になって、
解けそうになっていないか確認し、例え解けてしまっても、瞬時にパッと手を出せば、
その糸をつかんで、また結わき直せる、、、そんなバカなことを、何度となく考えていた、、、
そんな自己満足に終始していた、これまでの自分を思い出した。
心を見透かしたように、友人が言った。
「あんた、大して運動神経よくないんだからさ、、、いい加減しっかり結わいておかないと、、、」
「はい。」
私は、風船の糸を、震える指にそっと力を込めて、しっかりと結び直した。
舟は、どんどん先へ先へと進んでいく。
私は、しっかりと結び直したその結び目の上に、
友人にはバレないようにと(どう考えても、バレバレであるが、、、)
そっと右手を乗せ、川の匂いがする暖かい空気を、思いっきり深く深呼吸した。
太陽の光と川面のキラキラ、、、その中を、黄色い風船は風にハタハタと揺られながら、
時折、私の右肩を力強く叩いていた。
※写真は、ラオス南部のコーン島にて、河イルカ探しに出かけた時のもの。
※本日19日夜から、イエメンの旅に行くため、年内の更新はこれで最期になります。
今年1年、皆様、大変お世話になりました。どうか、それぞれのよいお年を!!
来年もまたよろしくお願いいたします!!
さぁ、荷造りしなきゃ!!(笑) ステフ